ノーベル賞の山中伸弥教授
--「韓国の若者よ、もっと失敗せよ」
2012年10月15日10時08分
[ⓒ 中央日報/中央日報日本語版]
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↑ 京都大学の山中伸弥教授。「失敗なくして成功する研究はない」と語った(写真=JTBC)。 |
8日に今年のノーベル医学生理学賞受賞者に決まった京都大学の山中伸弥教授は、「韓国と日本は幹細胞分野で善意の競争者。両国がこの分野の研究を同時にリードしていけば良い」と話した。山中教授は11日、京都大学iPS細胞研究所で中央日報・JTBCと単独インタビューを行い、「iPS細胞研究を進化させ人類が健康長寿できる日を前倒ししたい」と強調した。
――日本の基礎科学分野のノーベル賞受賞は16番目だ。これに対し韓国は“ゼロ”だ。どんな差があるのか。
「いままでノーベル賞を受賞した日本の科学者の大部分は私もそうだが海外で勉強した人たちだ。多くの韓国人科学者が海外で研究している。もう彼らがノーベル賞を取れるとみている。時間の問題だ」
――iPS細胞は一種の幹細胞だが、韓国もこの分野に大きな努力を傾けている。どの程度の格差があるとみるか。
「幹細胞研究では韓国の発展が実にまぶしい。特に韓国は胚性幹細胞(ES細胞)研究が進んでいる。一方、日本は組織幹細胞分野が進んでいる。両国が相互発展しているという感じだ。実は私の研究室に昨年まで韓国から留学に来た優れた研究員がいたが、彼はネイチャー誌に論文まで出した。幹細胞研究分野で韓国と日本が世界を先導しているだけに、両国が良い意味でのライバルとして競争しながらこの分野をリードしていけば良い。私の研究室にもより多くの韓国の若い研究者が来たら良いだろう」
――iPS細胞が実用化され人類が“健康長寿”になる日は何年後になると思うか。
「病気により違う。私の考えでは網膜疾患は来年になれば、また脊髄損傷と心不全などの場合は近い近く臨床研究が始まるとみている。そうしたモメンタムがある」
――国レベルの支援が力になったか。
「そうだ。日本の基礎科学研究はほとんど国の支援に依存するのが現実だ。率直にそれがなかったらノーベル賞受賞もなかっただろう」
――韓国の学生は日本に比べ相対的に早い時期から、そしてたくさん海外に留学に出る。望ましいことなのか。
「海外留学は単純に語学的な側面だけでなく思考の領域でも役に立つ。米国の自由な発想が研究分野には有利だ。日本はいま海外に出て行く若者が減っている。将来が心配だ」
――整形外科医師時代に手術が下手でいじめられ、留学から帰ってきても実験用のネズミを世話することだけ任されるなど挫折も体験したと聞いた。韓国の若い科学者に助言するならば。
「研究において失敗がなければ成功は絶対ありえない。韓国人も日本人と同じように失敗を非常に恐れ恥ずかしがる傾向がある。だが振り返ってみれば失敗は大きな機会だ。『韓国の若者たちよ、これからもっともっと多く失敗しなさい』と言いたい。若い時代の失敗が未来の成功をつかませる」。
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